毎日TLに良記事が流れてくるアドカレ、最高⤴⤴
この記事は Pokémon Past Generation Advent Calendar 2023 16日目の記事です。
今回は初心者向けの記事になります。
ポケモン対戦でパーティの組み方や環境考察って何から考えたらいいのかよくわからない、という方に向けてタイプ相性の話をちょっと掘り下げて書きました。
例として、鋼タイプと電気・水・炎の関係性について解説していきます。ゆっくりしていってね!
Past Generation らしく過去作の例をいくつか出しますが、世代は違うけど一般的な傾向から考えてみる記事になります。初心者の方は例がわかりにくかったらごめん。
またポケモン対戦に慣れた方には基本的な既知の内容になります。鋼タイプが強い過去世代の例を出しているので人によってはニュアンスが伝わりにくい部分があるかもしれませんが、ゲームの傾向を語る一つの例ということでご了承ください。
●なんでタイプ相性なの?
ポケモンバトルの要素の一つ、タイプ相性。
このタイプ相性は対戦ゲームとしてはデザインが特徴的で、特定の技があるポケモンには2倍ダメージで入り、別のポケモンには半分、はたまた無効になる、という仕様になっています。同じ技で与えるダメージが2倍か1/2倍か、4倍か0倍かの振れ幅はかなり大きい。
対戦ではなるべく受けるダメージを半減や等倍以下に抑え、与えるダメージは弱点をつき大きなダメージが入る方が有利になります(いわゆる一貫性)。
タイプの関係はポケモン同士の強弱に結びつき、弱点を補いあう並び(相性補完)が生まれます。今回はその並びからタイプ考察をやってみてパーティや環境に迫る考察をやってみよう!という試みです。
●なんで鋼タイプなの?
鋼タイプは耐性が多く、半減を活かして実質数値が高くなります。
複数の固有耐性を持つので、例えば飛行と岩どちらも半減、草とドラゴン半減、鋼とエスパー半減、、など単体で一貫を切れ、いろんなタイプとの補完関係を作ることができます。
世代によってはそのルールで重要な要素を持っており、対戦環境の最前線にいることも多いです。
☆つよつよ鋼タイプの例
・3世代~4世代のメタグロス
・8世代のザシアン&きょじゅうざん
・7世代のサイコフィールド+カプ・テテフ、剣舞ミミッキュZ耐性等
そんな鋼タイプに対抗できるタイプが電気炎水タイプです。
鋼のタイプ一致技を半減でき、電気炎水タイプのダメージを等倍以上で返せます。
先ほどの殴り合いで優位に立てそうです。
鋼タイプが重要な環境であればあるほど、鋼タイプと電気炎水の組み合わせが強く、鋼と電気炎水の関係性が環境の中心になります。
でも今度は相手も電気炎水に強いタイプを入れてくるし、じゃあその相手に強い鋼タイプや違うタイプをこっちも入れて、、、っとなると結局組み合わせでどんな並びが強いの?という話になります。
補完関係や3すくみを整理する必要があります。
鋼タイプと電気炎水入りの組み合わせはどんなタイプが強いのか?
それらを考えていきます。
●地面と無効タイプの存在
ここで先回りして地面タイプの話題を出しておきます。
地面タイプは電気や炎の弱点を突くことができ、鋼タイプの弱点までつけるため、鋼←電気炎水←何か、の関係性は地面タイプの一貫を軽視できません。
今度は電気炎・鋼タイプに負荷をかけてくる地面技を考える必要があります。
じゃあ地面タイプが最強なのかというとそうでもなく、地面タイプは鋼技に耐性を持っていないため、電気タイプがいるときは強いですが、相手が鋼と弱点を突かれる水タイプの並びだったりすると苦しくなってきます。
また地面は地面で飛行タイプや特性:ふゆうの相手に無効であり、また別の3すくみや関係性を考慮することになります。
タイプ相性はこの相手の攻撃を無効化するタイプや特性があることが重要です。こちらの攻撃は相手に一切通らない、相手の攻撃はこちらに抜群なので他のポケモンに交代したいけど一貫していて引けない、、、という場面が出てきたり、無効化を利用した1ターンの入れ替えで有利不利が逆転する、ということがあります。
●水タイプ
結論から言うと、一般的に鋼絡みの電気炎水の構造や優劣は水タイプに終着します。
水タイプは電気や炎タイプと違い地面タイプを等倍で受けられ、晴れや雨の天候下での炎技、水技も半減できます。
また攻撃面でも水タイプは並びで水ミラー以外の鋼+炎電気や地面に一貫し、炎地面岩の弱点をつけます。
水タイプに耐性を持つ並び相手にも
草、ドラゴン → 氷
水ミラー → 電気、草
と攻撃範囲を補いやすいです。
3世代の例ですが、1192さんの記事冒頭にも似たようなことが書いてあるので参考に貼っておきます。
あと水タイプの弱点をつける電気や草タイプは鋼タイプと並べると弱点が共通するため、一致技で弱点をつかれにくい、とかもありますね。鋼と水タイプの並びに一貫するタイプは地面格闘と電気(6世代以降はゴースト・悪も)しかありません。水タイプは単体で弱点が少なく、一貫性がとれるため最強格のタイプといっていいでしょう。
ちなみに今回の記事の本筋ではないですが、特定の状態異常耐性はないです(鋼電気炎草にはある)。対応する状態異常が初代から電気の麻痺、炎の火傷、氷の凍りとなっている部分が大きいと思いますが、一応触れておきます。
●電気タイプ
電気タイプは水の弱点をつけ鋼や炎にも一貫する、攻撃面で優れたタイプです。
攻撃範囲も電気を半減以下にするタイプに抜群をつける電気+氷の範囲が優秀。
よって電気炎水の同枠ミラーで有利なことが多いですが、地面タイプには無効化され、返しの地面技が抜群で入ってしまいます。
その地面技は飛行タイプに無効化され、電気タイプは飛行技に耐性を持っていて弱点をつけます。電気や地面タイプの存在と無効化によって、鋼絡みの関係性に電気地面飛行の組み合わせが関わってきます。
電気タイプは素早さが高いポケモンが多く、攻撃範囲で一貫性を持てるため、多くの世代やルールで電気技の一貫を切る並びがスタンダードとなっています。他に水や飛行の弱点をつける草や岩・氷タイプと違って鋼や炎水タイプに一貫しながら、水タイプと鋼の弱点である地面や格闘の一貫を切れる飛行タイプ、両方の弱点をつけることが電気タイプの強みになります。強すぎですね! あまりに一貫性があるため、地面タイプでナーフされているところがタイプ相性の面白いところだと思います。
●草タイプ
ここでシナリオの最初にもらえるポケモンでもある御三家、草タイプに触れておきます。
草タイプはここまで触れてきた電気水地面の全てに耐性があり、さらに水と地面の弱点を同時につけます。強すぎんだろ…。
よって鋼タイプに強いこれらの関係性にリソースを割きすぎると草タイプを崩せなくなってしまいます。
このように電気水地面の絡む関係性で(飛行岩草とか岩炎草とかもある)優れた草タイプですが、今回の本筋で言うと肝心の鋼タイプには半減されます。また歴代でも技の威力が低く設定される傾向にあり、半減されるタイプも多いため一貫性が作りづらく、範囲が補完しづらい傾向にあります。
鋼に地面格闘→飛行に通らない
飛行に岩氷→鋼に通らない
草ミラー問題…など
鋼飛行炎ドラゴンなど別の並びで半減されてしまい、こちらの弱点をつかれてしまいます。
こうして攻撃性能の面で下降調整を受けている草タイプですが、補助技が滅法強く(キノコのほうしもヤドリギのタネも初代からある技)耐性が優秀な性質とマッチしているとも言えます。
世代が経つにつれてどんどん強い草タイプが追加されていますね。
殴れる草タイプ
鋼+草タイプ
モロバレル(ダブルで強い)
●炎タイプ
ここで真打、炎タイプの登場です。炎タイプは水タイプには半減されてしまいますが、無効化されるタイプがなく、耐性が優秀な鋼と草タイプ、両方の弱点をつけるところが強みです。
他に天候を晴れにすることで火力を強化しながら弱点の水タイプを等倍にできます。
そのため鋼や草タイプで穴埋めをしているような特定の並びに対して優位に立てる攻撃に優れたタイプで、数値で押し切ったり、水タイプ等苦手なタイプに対抗できる炎は世代によって活躍していますね。
また耐性面は炎ミラーの他、フェアリーと氷など特定のタイプに耐性がありダブルの全体技などで活かされたりします。
ちなみに鋼とフェアリータイプの話も面白いのですが、その話をしだすとマジで全タイプの話をしなくてはならなくなるので、今回はあくまで鋼+電気炎水の関係性に絞って、フェアリータイプの話は割愛します。
水や地面に対抗できる炎タイプの例
>特性晴れ+ソーラービーム!
>蝶の舞+ギガドレイン!
>電気技+ふゆう!
●鋼タイプミラーの話
最後に鋼枠ミラーについても触れておこうと思います。
鋼タイプの弱点は炎・格闘・地面です。
鋼タイプは単体で耐性が優秀なので他の複合タイプの組み合わせで弱点が変わります。
例えば、7世代シングルは歴代屈指の鋼環境でKP上位30に8種類も鋼タイプがいました。鋼ミラーの優劣は種族によってバラバラです。
(参考:ポケモンランキング | ポケモンバトルデータベース ウルトラサン・ウルトラムーン)
また鋼タイプを取り巻く電気水炎地面絡みのポケモンも非常に強力でした。
(KP上位のポケモンだと霊獣ランドロス、ゲッコウガ、メガリザードンX・Y、メガボーマンダ、カプ・レヒレ、カバルドン、カプ・コケコ等)
鋼タイプ同士のミラーの優劣は種族や技構成によって変わります。持ち物や配分も同様です。
よってミラーで有利であることは基本的にいいことですが、電気水炎との組み合わせ等で考えると鋼ミラーで勝とうと考えるよりは他のタイプとの並びで勝てる方にリソースを割いた方が効率がいいこともあります。(もちろん世代や環境にもよります)
理由として鋼技が鋼ミラーで半減され電気炎水の関係性では他のタイプの弱点を突きにくいこと、耐性が優秀であるため弱点が複合タイプや種族特性によって変わることなどが挙げられます。フェアリータイプの存在など鋼タイプがそのルールでどのくらい決定力を持てるかどうか、構造を作っている他のタイプとの関係性の強さやゲームバランスにもよりますね。
この辺りの考察はstoicさんの記事にまとめてあったり、プラスルさんの記事に書いてあるので興味がある人は参考にしてみてください。
●まとめ
・鋼タイプと電気水炎の3色の関係性は水タイプに集約される
・電気タイプは鋼+水炎に一貫し、水や飛行タイプの弱点をつける。攻撃範囲の一貫性は優秀であるため、電気耐性の地面やドラゴン、電気ミラーや数値受け(例:ハピナスなど)は並びによく干渉してくる
・地面タイプは電気を無効化し、地面技は鋼や電気炎の弱点をつけ水にも一貫する。電気にとって地面タイプは相性最悪であり、鋼と電気炎水の関係性では電気地面飛行という別の関係性を考慮することが多い
・水電気地面~のような関係性にタイプを偏らせすぎていると草タイプが活きてくる
・飛行タイプは鋼電気に半減されるが地面を無効化でき、草地面格闘に強いのが偉い
・炎タイプは鋼や草に強く、弱点をつける並びに優位に立てることがある→攻撃範囲や弱点を補えると優秀(例:炎+格闘、水地面に対抗できる炎など)
・鋼タイプミラーは複合タイプや種族等によって相性が変わり、関係性全体ではミラーより他にリソースを割いた方が効率がよいことがある
●おわりに
結論として、結局どんな組み合わせが強いのかというと「その環境や世代、ゲームバランスによる」という話になります。鋼タイプが強い環境では水タイプが最強格で、鋼+水の組み合わせは鉄板だと思うんですが、それも環境次第です。
あくまで今回テーマにしたタイプ相性は対戦の一要素。また並びの相性補完や構造で有利を取ろうというのも一つの手法に過ぎません。その世代や対戦環境によって有用な考え方は変わってきます。
上からひたすら高火力で殴り続けるのが強いルールもあれば、金銀みたいに一番遅いカビゴンがバケモンみたいに硬くて鋼も水もあんまり強くない数値ゲーみたいな環境もあります。
ただ考え方をうまく応用すると、例えばダイマックスの8世代ではなんでザシアン+カイオーガの組み合わせが強かったの? 8世代シングルでサンダーが、ダブルでトリトドンが強かったのは? みたいに新たな気づきがあるかもしれません。
今回やってみたように、並びや相性補完から構造を抽出したり、環境考察する視点、考え方は以前に抽象思考の記事として解説しました。今回の記事はその実践例です。一つの例。
同じようにそのゲームの強い要素、テンプレの並びや組み合わせなどからパーティや対戦環境全体を考察することができます。
今回の記事はややシングル寄りで、相性補完などある程度サイクルを想定している部分がある内容ですが、鋼タイプが環境上位に来たり、電気炎水や地面の絡む関係性はいろんな世代で頻出する内容です。
もちろんテラスタルにも応用できる考え方だと思います。
よかったらぜひ活用してみてください。
この記事は Pokémon Past Generation Advent Calendar 2023 16日目の記事です。
明日12/17はジュナリさんの「完全自動でエメラルドのストーリーをクリアする話」の予定です。よろしくお願いします!
< 最後までよんでくれて感謝!!