ひさしぶりの全世代向け記事。
前に予告していた抽象思考の解説記事です!
ポケモン対戦は抽象思考のゲーム
抽象思考? なにそれ?? って方も
より抽象思考で考えるとポケモン対戦楽しめるよ~!!
ということを伝える記事を書きました!
題して・・・
ヤドンでもわかる!抽象思考のススメ! です!!
ではいってみよー!!
●抽象化とは
「抽象化」ってきくと、なんだかぼんやりしたイメージのひともいるんじゃないでしょうか。
抽象化とは ずばり、、
いっぱいあるやつをばーっとまとめてひとつにしようね!!
って考え方のことです!
「抽象」の反対語は「具体」(具象)、これならちょっとわかると思います。
他人の話を聞いてよくわからないときに「具体的な例をあげて」、って言うアレです。
具体とは、一つ一つの個別のなにかのこと。
その反対の抽象は、
それらさまざまな個別のなにかをまとめたもののことです。
この「余計な枝葉を切り捨ててひとつにまとめる」ということが
抽象思考、そしてポケモン対戦で重要な考え方になってきます。
< じゃいってみよー!
【初級編】
●抽象化で構築する論!
ポケモン対戦では初手から1体で相手パーティのポケモン全てに勝てる!
ということはあまりありません。
自分も相手もポケモン同士の相性を考えたり、
弱点を補い合ってパーティを組んでいます。
こんなふうにパーティ6体の枠のなかでさまざまなポケモン、並びやパーティに対応していきたい、という考え方は構築論、構築手法として確立されています。
これはポケモン同士の強弱や相性などの普遍的な関係(役割理論など)を踏まえたポケモン対戦の基礎であり、
世代やルールを超えても普遍的な考え方です。
6世代シングルの例↓↓
ととのレート奮闘記。: シングルレート2000を達成するためのパーティ構築方法。
金銀第2世代の例↓↓
対策の優先度について - 1396526712 - したらば掲示板
さて、この考え方の根底には
「複数のものをまとめて1つのものとして扱う」
=「抽象化」
の発想があります
「具体」のレベルでひとつひとつのポケモン、技や性質を考えていくときりがない。
時間がかかり効率が悪かったり、応用がきかなかったりします。
そこで具体的な個別のポケモン、さまざまな技などの要素をひとつにまとめて捉えていくんですね。
それらを共通点や特徴からひとまとめにして「抽象化」していくことで、
限られた枠を効率よく、相手のさまざまな枠に対応できるようにしていきます。
●実戦での応用とパターン認識
こうして環境のさまざまな要素がひとまとめにされていき、
対応する構築枠にもいろんな要素が凝縮されていきます。
そして抽象思考のすごいところは
複数のものを共通点からグループ化して同じくくりにまとめてしまうと、
そのポイントを同じ特徴から他の場面でも適用できるところ。
つまり、実際の対戦のいろんな場面や複数のポケモンの組み合わせに対して、
「法則を見つけたり、パターン認識してひとまとめにする」
という抽象化の思考がさらに行われています。
例 ) 1.●●パも××パもだいたい初手は○○でいけるな・・・
2.○○パの並び4体はだいたいこっちの2体でケアできるぞ.
抽象化によっていろんな要素がひとまとめになってできた構築は、
さらに抽象化したパターン認識や法則によって、
共通点やポイントから「この場面やこのパターンではこうしよう」
と実戦の選出や立ち回りへ応用されていきます。
●関係性と構造
対戦の一側面をみた「パターン認識」や「法則」は共通の性質や特徴を持つA、B、C・・・をひとくくりにするだけでなく、
それらひとくくりにしたものから
「何かと何かの関係」に注目し、その関係性を一般化
しています。
こうした関係性から例えば
「Aの組み合わせとBの組み合わせの立ち回り」や「●●パと××パの相性」が法則やパターンから優劣がつけられたりして、
それらひとつひとつの組み合わせから
環境やゲーム全体を見た「構造」
が浮かび上がってきます。
例)対面、崩し、受けの3すくみ
トップメタ、トップメタに強い、トップメタに強いに強い.
金銀カビパ←サンダーパ←ライコウパの3すくみ ←←←
初代97 氷←電気←対電気の3すくみ ←←←
この3すくみのような関係性は抽象化を推し進め、環境や仕様、対戦ルールを上から俯瞰で見ることでわかってきます。
こうしてどんどん抽象化していくことで、環境や特定のルールという全体の構造が抽出されていき、そのなかで個々のパターンやポイントも洗練されていきます。
環境やそのゲームからつかんだ関係性や構造が、
今度は逆に実戦での応用や構築論にフィードバックされていくんですね!
⇒ どんどん抽象化していって環境の抽象化、対戦理論の形成、各世代・ルールの考察などが進む
ちょっときゅうけい~
つぎはレベルアップ!
【中級編】
ここまではポケモン対戦考察の初心者向けの内容でした!
抽象思考なんてよく知らない、という方も
ポケモン対戦で腕を磨いていると自然に身についていきますね。
ここからもう1歩踏み込んで
ポケモン対戦と抽象思考、具体と抽象について書いていきます。
●具体と抽象の階層
具体と抽象は上から下へ流れるように、思考の階層のような関係になっており、
「何か」から具体例を取り出すのはかんたんですが、
具体から抽象化した「何か」を導くのは少しむずかしいです。
また、抽象的な何か から 具体的なものを取り出すときはたくさんのものを取り出すことができ、
具体的なものごとを抽象化していくと、どんどんまとめていく要素がなくなって、
やがて一つの大きな概念となります。
具体と抽象の階層は、ちょうど △ピラミッド型 のようなイメージでしょうか。
●まとめ方と解釈の自由度
抽象化とは余計な枝葉を切り捨てて幹を捉えること。
たくさんのものごとに共通する特徴から幹を抜き出してまとめていきます。
この時、まとめ方や特徴の抜き出し方は
そのときの目的や方向性によって変わってきます。
同様に、抽象化されたなにかから何を取り出すときも
そのときの目的や方向性によって変わってきます。
例えば、ポケモンの構築枠は抽象化されたものだと書きました。
抽象化により、構築枠にはポケモンの種族・属性・ステータスや技ダメージなどあらゆる数値(+性格、努力値配分)・持ち物・特性、、、
などのあらゆる要素、さまざまな意味合いが付加、凝縮されていきます。
183-182(252)-116(4)-xx-95-169(252)
対戦の時、抽象化された枠を実際に具体のレベルに移し変えるとき、
解釈の自由度が生じますね。
人によって構築枠に差異が生まれたり、同じ構築を使っても選出立ち回りが異なるのはこの自由度のためです。
自由度の高い人はより対応力の高い構築を作って創造的なプレイングをします。
しかし、具体レベルでポケモンを考えている人は、
「このポケモンや技はどう生かすんだ?」
と構築枠に抽象化してうまく盛り込めなかったり、
「どんな風に立ち回ればいいかわからん!」
とプレイングに差が出たりします。
●抽象のレベル=抽象度
「具体と抽象の関係」では、抽象化された「何か」からどんな具体が引き出されるか、
具体的なことからどんなふうに「何か」をまとめるかは、
尺度が相対的で決まっていません。
つまり「具体と抽象」はそれ自体が相対的な関係になっています。
ここで
「抽象のレベル」=抽象度
が大切になってきます。
ネット上で議論がかみ合ってないことはよくありますが、
これはお互いが「どのレベルの話をしているのか」という抽象度の部分でずれていることが多いです。
ポケモン対戦でも抽象度がずれていると
どの抽象レベルからどんな具体を引き出せばいいか噛み合わず、
立ち回りがそれまでの展開や流れとずれてしまいます。
例えば、環境考察を推し進めて抽象度の高いパーティを組む人と、
個別のポケモン同士のダメージ計算の知識しかない人とでは、
一緒に立ち回り談義をしても話がかみ合わないかもしれません。
●具体⇔抽象の往復
また、同様によく「強い構築を使ってもその人の立ち回りがわるいと勝てない」というのは、
その構築枠がどうしてそうなっているのか?
とか、
この場面ではどうすればいいのか?
など、構築した人と同じレベルの抽象度で抽象化された枠を理解し、それを相手や状況に合わせて抽象度をかえながら 具体に移せない、
つまり抽象度の調節 と 具体⇔抽象の往復がうまくできていない、ということになります。
●強い=抽象度が高く、具体⇔抽象が上手い
このように今回の記事内容から(あくまでこの記事の内容でね)
ポケモン対戦で優れた成果を出せるプレイヤーとは、
抽象的な思考で対戦の一側面や個別のポケモン(具体)を見ることができ、
すでにでている情報から構造を抽出し、要点をつかんで効率よく情報処理をしながら適切な構築をしたり(抽象化)、選択や行動ができる(具体化)人だと言えます。
ちょっときゅうけい~
最後は上級者むけだ!
【上級編】
●目指せ上級者! 具体⇔抽象のポイント !
じゃあ抽象度を上げること、具体⇔抽象はどうやったらいいの?
「具体と抽象」は上から下へ流れるようになっているので、
具体レベルの人が抽象度を上げるのはむずかしく、
抽象度の高い人が下に降りていくのはかんたんになっています。
ほぼ一方通行と言ってもいいでしょう。
抽象思考を使いこなして強くなるポイントを2つまとめました。
☆自分の抽象度を上げること、抽象⇔具体を洗練させること
抽象度の高い強者の構築や立ち回りから、学びとるクセをつけましょう。
対戦動画を観たり、構築記事や対戦ログを読むといいでしょう。
そして実際に対戦するなかで具体と抽象の関係性を身体や感覚でつかんでトレーニングしていくのもいいですね。
これが一番手っ取り早いので、みんなやっていますね。
あとは先にあげた内容を意識して、たくさんの情報から抽象化して強い構築や立ち回りを考えていくのもいいでしょう。
☆「具体と抽象の往復」で抽象化が本末転倒にならないように注意する
抽象思考はとても強力なパワーを持っているので、しばしばそれに振り回されてしまうことがあります。
抽象化したときの特徴や取り出した具体がそのとき大切な目的や方向性と一致せず、
ただのこだわりになってしまうこともあります。
要するに本末転倒と言うやつです。
言葉にするとかんたんですがこれ、
陥らないようにするのがめっちゃむずかしいです。
具体的なポイントが3つあります。
①抽出された法則がルールとなり、固定観念となる。
固定観念から具体に対する柔軟性がなくなり対応できなくなってしまう。
例)○○パには刺しキャラの××でOK!
⇒それを踏まえた役割破壊技や釣り選出で負けました
②抽象化のバイアスがかかり、どんなものにもパターンや関係性を見出そうとしてしまう。
例)相手のパの並び、○○に弱すぎるから××はこの型だろー
⇒相手がただの欠陥構築だった、ただたんに○○は切っていた
③具体と抽象のリンクがきれ、具体のみが一人歩きしてしまう、いわゆる「数字や意味の一人歩き」。
例)○○は××で余裕の確定2発なんだよなあー!
⇒おうごんのみ(オボンのみ)持っていたんだが??
●抽象思考による考察記事の例
ポケモンの考察記事大好き!
私 yasu が好きな考察記事を勝手に紹介する恒例のこのコーナー!!
①【金銀】最も強いポケモンから構築を突き詰める
よく引用しているおなじみ記事。
一強環境の金銀でカビゴンというもっとも強いポケモンにどのようにコストを注ぎ、構築枠を抽象化していくかの思索が読める。
②【金銀】構築枠を構造化する
環境の中でパーティの構造を抽出し、枠の置き換えや圧縮など試行錯誤の過程が読み取れる。
③【6世代】枠の置き換え
抽象化や枠の置き換えをほぼ同じ内容で具体的に解説した記事。
旧世代の例だとちょっとピンとこない、という人におすすめ。
④【6世代】環境構造と抽象化からの型読み
統計と構造化を駆使した型読み記事。
6世代がよくわからない自分でもめちゃくちゃおもしろい!
まとめろ~
●まとめ
・いろんなポケモンとか型をひとまとめにして考える、これが抽象化!
・ひとまとめにしたらだいたいパターンや法則わかってきた
⇒ 対戦でパーティや組み合わせの相性関係がわかってくる。
・パターン見えてきたら気づいたんだけど、
なんかこのゲームって○○なゲームなんじゃね??
⇒一つ一つの組み合わせから全体の構造が見えてくる。
・強い構築やプレイヤーはいろんな選択肢や立ち回りができる?
⇒抽象度が高く、上手く調節して柔軟に、強靭に対応することができる。
そのときの目的や方向性から適切に具体⇔抽象の往復ができる!
・どうしたら抽象思考使いこなせる?
⇒実際に対戦して練習したり、
強者の構築やプレイングから学んだり、
その内容を踏まえて対戦考察するといいぞ!
ただ本末転倒にならないように注意な!
以上でポケモン対戦と抽象思考の解説はおわりです。
これまでの記事も抽象思考を意識して書いていますが、
自分の実践例もまたこれから書いていこうと思います!
読んでくれてありがとう~!!
糸冬